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医療法人を設立するメリット・デメリット

医療法人の設立は、節税や事業承継に大きなメリットがある一方で、手続きや運営コストの負担も伴います。

実際に医療法人化を検討する際、具体的なイメージができない方も多いのではないでしょうか。

今回は、医療法人を設立するメリット・デメリットについて解説します。

医療法人とは?

医療法人は、診療所や病院を法人化し、組織として医療を提供する形態です。

医師が常時勤務しています。

医療法人設立のメリット

医療法人化には、以下のようなメリットがあります。

 

  • 税金の負担が低い
  • 事業規模拡大の可能性
  • 社会的信用の向上

税金の負担が低い

個人開業医の場合、所得税は累進課税で、所得が増えるにつれて税率が上がります。

しかし、医療法人では所得税は適用されず、法人税が適用されます。

法人税は比例税率で、所得が増えても税率は一定です。

たとえば、年間所得800万円以下の部分は15%(条件により19%)が適用され、それを超える部分は23.20%です。

医療法人化することで、所得が高くなるほど税負担を抑えられ、結果的に数百万円単位での節税が可能になるケースも少なくありません。

事業規模拡大の可能性

法人化により、分院の設立や介護事業への参入が可能になります。

ただし、介護事業の運営には、医療法人としての認可とは別に都道府県知事の許可が必要です。

介護事業をはじめとする事業規模の拡大は可能ですが、法的な制約と追加の許可が必要である点に注意が必要です。

社会的信用の向上

医療法人の設立には、都道府県知事による厳格な審査をクリアする必要があります。

この審査では、事業計画や財務状況、施設基準などが細かく確認されるため、認可を受けるだけで信頼性が向上します。

さらに、医療法人は法人会計を採用し、個人資産と法人資産が明確に分離されます。

これにより、財務状況の透明性が高まり、金融機関や取引先からの評価も向上します。

医療法人設立のデメリット

医療法人設立のデメリットは以下です。

 

  • 設立手続きの煩雑さ
  • 社会保険加入の義務と負担増

設立手続きの煩雑さ

医療法人の設立には、都道府県知事の認可が必要です。

普通法人は法務局への登記で設立可能ですが、医療法人は事前に都道府県への申請と厳格な審査を受けなければなりません。

事業計画や財務計画、施設の運営方針などが細かくチェックされるため、申請から認可までに半年以上かかることも珍しくありません。

この複雑で長期にわたるプロセスは、医療法人特有の大きな負担です。

社会保険加入の義務と負担増

医療法人は、健康保険と厚生年金への加入が義務付けられています。

このため、従業員を雇用する場合、その人数が少なくても社会保険料の負担が発生します。

特に人件費がかさむ医療業界では、この負担が大きなデメリットになることがあります。

まとめ

医療法人化は、多くのメリットがある一方で、コストや手続きの負担も伴います。

事業規模や経営状況を考慮し、慎重に判断することが重要です。

中野税務会計事務所では、医療法人設立に関するご相談や手続きのサポートも行っています。

お気軽にお問い合わせください。

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中野 勉公認会計士
公認会計士 中野 勉 なかの つとむ

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山口市で税務・会計、経営コンサルティング、医療経営コンサルティング、社会福祉法人コンサルティング、相続・事業承継、アウトソーシングでお困りならお気軽にご相談下さい。

  • 所属団体
    • 中国税理士会(登録番号25919)
  • 経歴
    • 昭和41年3月 中央大学第二商学部会計学科卒業
    • 昭和37年4月 松下公認会計士事務局(東京都)入所
    • 昭和45年12月 中野会計事務所入所
    • 平成7年1月 中野会計事務所を継承し所長就任

事務所概要

Office Overview

事務所名 中野税務会計事務所
代表者 中野 勉(なかの つとむ)
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