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事業承継・M&A補助金とは?活用目的や要件など

中小企業の後継者不足や経営資源の引き継ぎの問題は、年々深刻さを増しています。

こうした状況のなか、事業承継やM&Aを活用して企業の継続を支援する制度として注目されているのが「事業承継・M&A補助金」です。

本記事では、その概要や具体的な活用枠について紹介します。

事業承継・M&A補助金とは?

事業承継・M&A補助金は、中小企業や小規模事業者が事業の承継やM&Aを実施する際に必要となる費用の一部を支援する制度です。

この制度は、円滑な事業の引き継ぎや企業の再編・統合を促進し、地域経済の維持や活性化を目的としています。

補助金の種類と特徴

事業承継・M&A補助金には、目的に応じた4つの枠組みが設けられています。

1. 事業承継促進枠

この枠は、5年以内に親族内承継または従業員への承継を予定している事業者が対象です。

補助上限額は800万円ですが、一定の賃上げ要件を満たすと1,000万円まで引き上げられます。

補助率は原則1/2、小規模事業者については2/3まで引き上げられます。

対象となる経費は、設備投資費、産業財産権等関連経費、謝金などです。

2. 専門家活用枠

譲渡側・譲受側のいずれの立場でも利用可能で、M&Aの実施にあたり専門家を活用するための費用が補助対象となります。

補助上限は600万円〜800万円、補助率は1/32/3です。

対象となる経費としては、M&A支援機関に対する報酬、デューデリジェンスにかかる専門家報酬などがあります。

3. PMI推進枠

PMI(Post Merger Integration)とは、M&A後の統合プロセスを意味します。

この枠は、買収後のスムーズな組織運営・再構築を支援することを目的としています。

PMI専門家活用類型」では、補助上限は150万円、補助率は1/2です。

「事業統合投資類型」では、補助上限は800万円(賃上げ実施で1,000万円)、補助率は1/2、小規模事業者は2/3となります。

対象経費には、設備費、外注費、委託費などが含まれます。

4. 廃業・再チャレンジ枠

この枠は、事業承継やM&Aを契機に現在の事業を廃業し、新たなビジネスを開始する事業者が対象です。

補助上限は150万円、補助率は1/2、小規模事業者の場合は2/3です。

対象となる経費には、廃業手続きにかかる支援費、建物解体などにかかる費用が含まれます。

まとめ

事業承継・M&A補助金は、後継者不在や再編の課題に悩む中小企業にとって、心強い支援制度です。

4つの枠組みから自社に合ったものを選ぶことで、円滑な事業承継やM&Aの実現につなげることができるでしょう。

なお、本記事は2025年8月時点の情報に基づき記載しております。

制度の詳細や申請準備について不安がある場合は、税理士に相談することを検討してみてください。

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中野 勉公認会計士
公認会計士 中野 勉 なかの つとむ

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  • 所属団体
    • 中国税理士会(登録番号25919)
  • 経歴
    • 昭和41年3月 中央大学第二商学部会計学科卒業
    • 昭和37年4月 松下公認会計士事務局(東京都)入所
    • 昭和45年12月 中野会計事務所入所
    • 平成7年1月 中野会計事務所を継承し所長就任

事務所概要

Office Overview

事務所名 中野税務会計事務所
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